出産は決してゴールではなく、大切な育児のスタート地点。両親学級は、当クリニックを退院したあとも、ご夫婦で安心して育児に取り組んでいただくためのワークショップです
出産後、誰もが直面する育児の課題に対し、パパとママがどのように協力し合い、乗り越えていけばよいか、参加者同士、楽しくコミュニケーションを図りながら考えていきます。
講師は産後育児に関する著書も豊富な渡邊大地先生。自身が3児のパパでもある渡邊先生は、サラリーマン時代、1人目の産後の子育てに苦労した経験から、産後サポートを行う会社を設立し、現在は大学の看護学部の非常勤講師もつとめています。 実体験に基づく先生のトークは軽妙な語り口ながら説得力にあふれ、参加者からも「何を考えておけばいいのか、産後の準備ができた」と好評です。
昨今、育児について自発的に勉強しようという男性は、着実に増えています。しかし、出産後の生活についてしっかり話し合っている夫婦はそれほど多くないのが実情です。ママをサポートするにしても適切な時期にできていなかったり、パパに言おうにも愚痴っぽくなるからと話さなかったり……。
夫婦関係が大きく変化する産後の時期こそ、コミュニケーションが重要になります。両親学級ではワークショップを通じて「夫婦間で話し合うべきテーマ」を確認し、それを宿題として持ち帰ってもらうのが目的です。
両親学級のワークショップは、パパ・ママそれぞれ3〜4人程度のチームに別れ、パパ同士、ママ同士が話し合いながら答えを導き出すスタイル。
「夜、赤ちゃんが寝付かない時、妻と夫はどのように過ごして一晩乗り切る?」
「育児休暇はどんなときにとるべき?」
そうした産後の課題に対してチームごとに考え、回答を発表していきます。
みな出産を控えた境遇同士。他の参加者からシェアされるアイデアに感心したり、パパ・ママ間の考えの違いに気づかされたり、グループ内の会話も弾みます。
後半は7枚のカードを使って「出産当日から妊娠前の体に戻るまで」の流れを確認し、胎盤の役割やマタニティブルーに関してなど、女性自身も気づきにくい産後の身体的負担や心の変化について学びます。
最後のテーマは「出産後、妻をしっかり休ませるには?」。いざ親になると、自分たちの力だけで育児を乗り切ろうとしがちですが、実はそうした姿勢が産後の体の回復を妨げる要因にも。だからこそパパは、出産直後のママに安息をとってもらうため、周囲のヘルプを含めてさまざまな舵取りをする必要があるのです。
両親学級は、多くのサポートが必要な産後育児の時期において、夫婦が抱えるさまざまな悩みにお答えします。
アイナロハ代表取締役
ままのわ産後パートナーズ代表取締役
札幌市立大学看護学部非常勤講師
1980年、北海道札幌市生まれ。
2011年に株式会社アイナロハを設立し、2012年より「産後サポート“ままのわ”」事業を開始。年間3000人以上のご夫婦に両親学級を開催するほか、助産師や助産学生向けの講座も担当。
著書に『赤ちゃんがやってくる!~パパとママになるための準備カンペキBOOK~』、『産後が始まった!』(KADOKAWAメディアファクトリー)、『産後百人一首』(自然食通信社)、『お産とオッサン。-SANGO ON FIRE!-』、「産後手帳」シリーズ(アイナロハ)など。3児の父。